【健康保険】出産育児一時金ってなに?

1.出産育児一時金ってなに?

 出産育児一時金とは、健康保険の被保険者及びその被扶養者が出産した時に、加入している健康保険組合に申請すると、法定給付額により決められた一時金が支給される、健康保険の制度です。多胎児を出産したときは、胎児数分だけ支給されますので、双生児の場合は、2人分が支給されることになります。

2.どんなときにもらえるの?

 被保険者または家族(被扶養者)が、妊娠4か月(85日)以上で出産をしたことが要件となります。早産、死産、流産、人工妊娠中絶(経済的理由によるものも含む)も支給対象として含まれます。

3.申請方法は?

 全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入している方は、全国健康保険協会のホームページに様式があるので、ダウンロードして、印刷することができ、郵送で加入している支部に送ることで申請することができます。また、お近くの年金事務所に申請書類が置いてある場合もあります。入手が難しいようでしたら、加入している支部に連絡をして、送ってもらうことも可能のようです。
 申請にあたっては、医療機関等から交付される出産費用の領収・明細書のコピーなどの添付書類が必要となります。
 全国健康保険協会以外の健康保険組合に加入している方は、申請方法について事業所に確認してみましょう。

4.いくらもらえるの?

 産科医療補償制度(※)に加入の医療機関等で出産しているか、または出産日がいつかによって、金額が変わってきます。以下をご覧ください。

●産科医療補償制度に加入の医療機関等で妊娠週数22週以降に出産した場合

・令和5年4月1日以降の出産の場合 → 1児につき50万円
・令和5年3月31日までの出産の場合 →  1児につき42万円

●産科医療補償制度に未加入の医療機関等で出産した場合。
または、産科医療補償制度に加入の医療機関等で妊娠週数22週未満で出産した場合

・令和5年4月1日以降の出産の場合 → 1児につき48.8万円
・令和4年1月1日から令和5年3月31日までの出産の場合 → 1児につき40.8万円
・令和3年12月31日以前の出産の場合 → 1児につき40.4万円

※産科医療補償制度とは、医療機関等が加入する制度で、加入医療機関で制度対象となる出産をされ、万一、分娩時の何らかの理由により重度の脳性まひとなった場合、子どもとご家族の経済的負担を補償するものです。

5. 直接支払制度とは?

 全国健康保険協会(協会けんぽ)の場合、支給方法として、直接支払制度というものがあります。
 直接支払制度とは、出産にかかる費用に出産育児一時金を充てることができるよう、協会けんぽから出産育児一時金を医療機関等に直接支払う仕組みです。その場合、出産費用としてまとまった額を事前に用意し、病院に支払う必要はありません。
 直接支払制度を利用する場合は、出産を予定されている医療機関等へ被保険者証を提示し、当該医療機関等を退院するまでの間に「直接支払制度の利用に合意する文書」の内容に同意する必要があります。
 出産にかかった費用が、出産育児一時金の支給額の範囲内であった場合は、出産後、その差額について加入している健康保険組合へ請求することができます。また、出産にかかった費用が出産育児一時金の支給額を超える場合には、その超えた額を医療機関等へ支払うことになります。
 詳細については、出産にあたり病院の方から案内があることでしょう。
 なお、直接、医療機関等に出産育児一時金が支払われることを希望しない場合は、出産後に被保険者から加入している協会けんぽ支部に申請をした上で、出産育児一時金を受け取ることも可能です。

6.さいごに

 いかがでしたか。申請にあたっては、事前に出産する病院にも確認しておくと良いでしょう。制度のことあらかじめ理解しておくことで、安心して出産に臨むことができます。健康保険の制度を正しく理解し、有効に活用しましょう。

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