1.療養費ってなに?
健康保険では、保険医療機関の窓口に保険証を提示して診療を受ける現物給付が原則ですが、やむを得ない事情で現物給付を受けることができないときや、治療のために装具が必要になったときなどは、かかった医療費の全額を一時立替払いし、あとで請求して療養費(被扶養者の場合は家族療養費)として、払い戻しを受けることができます。
2.どんなときに申請できるの?
保険診療を受けるのが困難なときに療養費の支給を受けることができます。
例えば・・・
●事業主が資格取得届の手続き中で被保険者証が未交付のため、保険診療が受けられなかったとき(自費で診療を受けたとき)
●療養のため、医師の指示により義手・義足・義眼・コルセットを装着したとき
●感染症予防法により、隔離収容された場合で薬価を徴収されたとき
●生血液の輸血を受けたとき
●柔道整復師等から施術を受けたとき
上記の場合などがあてはまります。
また、旅行中、すぐに手当を受けなければならない急病やケガとなったが、近くに保険医療機関がなかったので、やむを得ず保険診療が受けられない医療機関(保険医療機関となっていない病院など)で、診察や手当を受けたときなどもこれにあたります。ただし、この場合、やむを得ない理由が認められなければ、療養費は支給されません。
3.いくらもらえるの?
療養費は、支払った医療費が全額払い戻されるわけではありません。
被保険者や被扶養者が保険医療機関で保険診療を受けた場合を基準に、保険者が計算した額(実際に支払った額が保険診療基準の額より少ないときは、実際に支払った額)から一部負担金相当額を差し引いた額が払い戻されます。
また、健康保険で認められない費用などが除外されます。
4.申請方法は?
全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入している方は、全国健康保険協会のホームページから様式をダウンロードすることができ、郵送で加入している支部に送ることで申請することができます。また、お近くの年金事務所に申請書類が置いてある場合もあります。入手が難しいようでしたら、加入している支部に連絡をして、送ってもらうことも可能のようです。
全国健康保険協会以外の健康保険組合に加入している方は、申請方法について事業所に確認してみましょう。
医療費を自費で支払った場合の申請には、診療内容を記載した診療明細書と、診療に要した費用を証明した領収書の添付が必要となります。その他の場合の各申請においても、書類の添付が必要になるので、詳しくは申請書の記入の手引きを確認してみましょう。
また、コルセットなどの治療用装具を医師の指示で作成し、装着したときにおける申請書は、立替払いのものとは別の様式のものになります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
5.さいごに
いかがでしたか。健康保険に加入しているのであれば、保険証が手元になくても病院で治療を受けることができますし、支払いについても、自己負担分を超える分は療養費として払い戻しを受けることができます。忘れずに申請をするようにしましょう。
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