1.治療用装具における療養費の申請とは?
健康保険では、保険医療機関の窓口に被保険者証を提示して診療を受ける「現物給付」が原則となっていますが、事業主が資格取得届の手続き中で被保険者証が未交付のため、保険診療が受けられなかったときや、療養のため、医師の指示により義手・義足・義眼・コルセットを装着したときなど、やむを得ない事情で、保険医療機関で保険診療を受けることができず、自費で受診(支払い)したときには、その費用について、療養費が支給されます。
この記事では、療養のため、医師の指示により義手・義足・義眼・コルセットを装着した場合の申請について、解説します。
事業主が資格取得届の手続き中で被保険者証が未交付のため、保険診療が受けられなかった場合などの療養費の申請については、こちらの記事をご参照ください。
2.どんなときに申請できるの?
療養のため、医師の指示によりコルセットやサポーターなどの治療用装具を装着した場合、療養費(治療用装具)の申請をすることで、健康保険の支給基準価格で計算した額から、その額に一部負担割合を乗じた額を差し引いた額の払い戻しを受けることができます。
支給対象となる治療用装具の例として、以下のものが挙げられます。
●関節用装具、コルセット
●小児の弱視、斜視及び先天白内障術後の屈折矯正の治療用として用いる眼鏡およびコンタクトレンズ(9歳未満の小児のみ対象)
●リンパ節郭清術を伴う悪性腫瘍の術後に発生する四肢のリンパ浮腫の治療のために使用される弾性着衣等
●眼球摘出後眼窩保護のために装用を必要とする義眼
●症状固定前の練習用仮義足
なお、支給額については、装具ごとに支給上限額があります。
3.申請方法は?
全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入している方は、全国健康保険協会のホームページに様式があるので、ダウンロードして、印刷することができ、郵送で加入している支部に送ることで申請することができます。また、お近くの年金事務所に申請書類が置いてある場合もあります。入手が難しいようでしたら、加入している支部に連絡をして、送ってもらうことも可能のようです。
治療用装具の申請書は、同じ療養費でも、立替払いの申請書とは異なるものになります。また、申請にあたっては以下の書類の添付が必要となります。
◆治療用装具を購入、装着した場合
○装具の名称、種類および内訳別の費用額・義肢装具士の氏名(押印でも可)・オーダーメイドまたは既製品の別(既製品の場合は製品名・メーカー名)が記載された領収書
〇医師が記入・証明した「治療用装具製作指示装着証明書」
〇靴型装具の場合、療養費の支給申請書を行う靴型装具の現物写真
◆弾性着衣等を購入した場合
〇弾性着衣等の名称、種類および単価・購入枚数が記載された領収書
〇医療機関が発行した「弾性着衣等装着指示書」
◆小児弱視等の治療用眼鏡やコンタクトレンズを購入した場合
〇眼鏡等の名称、種類等の費用額が記載された領収書
〇医師の「眼鏡等作成指示書」のコピー
※「眼鏡等作成指示書」に視力等の検査結果が明記されていない場合は、視力等の検査結果のコピー
4.さいごに
いかがでしたか。申請には上記で述べたような添付書類が必要となります。必要な書類がない手元にない場合は、受診した病院に確認してみましょう。
また、給付(払い戻し)を受ける権利は、受けることができるようになった日の翌日(消滅時効の起算日)から2年で時効になります。忘れないように申請しましょう。
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