1.出産手当金ってなに?
出産手当金とは、健康保険の被保険者が出産のため会社を休み、事業主から報酬が受けられない場合に受けることができるものです。
これは、被保険者やその家族の生活を保障し、安心して出産前後の休養ができるようにするために設けられている健康保険の制度です。
同じく出産に関する健康保険の給付制度に「出産育児一時金」がありますが、これは出産に対して一時金として支給されるものになります。令和5年4月1日以降の出産の場合だと、産科医療補償制度に加入の医療機関等で妊娠週数22週以降に出産した場合で、1児につき50万円となります。
2.どんな時にもらえるの?
被保険者が出産のため会社を休み、その間に給与の支払いを受けなかった場合は、出産の日(実際の出産が予定日後のときは出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合98日)から出産の翌日以後56日目までの範囲内で、会社を休んだ期間を対象として出産手当金が支給されます。※出産日は出産の日以前の期間に含まれます。
また、出産が予定日より遅れた場合、その遅れた期間についても出産手当金が支給されます。
ただし、休んだ期間にかかる分として、出産手当金の額より多い報酬が支給されている場合は、出産手当金は支給されません。
退職後の受給については、資格喪失の日の前日(退職日等)まで被保険者期間が継続して1年以上あり、被保険者の資格喪失の日の前日に、現に出産手当金の支給を受けているか、受けられる状態(出産日以前42日目が加入期間であること、かつ、退職日は出勤していないこと)であれば、資格喪失後も所定の期間の範囲内で引き続き支給を受けることができます。
3.申請方法は?
全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入している方は、全国健康保険協会のホームページから様式をダウンロードすることができ、郵送で加入している支部に送ることで申請することができます。また、お近くの年金事務所に申請書類が置いてある場合もあります。入手が難しいようでしたら、加入している支部に連絡をして、送ってもらうことも可能のようです。
全国健康保険協会以外の健康保険組合に加入している方は、申請方法について事業所に確認してみましょう。
4.いくらもらえるの?
出産手当金の支給額(1日当たりの金額)については、以下の通りとなります。
支給開始日(※)の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額÷30日×(2/3)
(※支給開始日とは、一番最初に出産手当金が支給された日のことです)
休んだ期間についての給与の支払いがある場合、その給与の日額が、出産手当金の日額より少ない場合は、出産手当金と給与の差額が支給されます。
また、出産手当金については、申請期間中の休んだ日に対して支給されるものになるので、申請期間中に出勤している日があれば、その日については不支給となります。
5.さいごに
いかがでしたでしょうか。出産にあたり会社を休む場合、会社の方から説明があるケースが多いのではないかと思います。また、申請書には医師の証明を受ける必要があるので、病院の方からも案内があるかもしれません。いずれにせよ、手当金を受け取ることができなかった、と言うことがないよう、制度をよく理解し、活用しましょう。
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